電波新聞 2012年8月23日 掲載
コンピュータ沖縄は、創業当時の姿に戻るため、民間企業向けの営業を強化している。
11年度売上高は、前年比14.8%減の11億4300万円。内訳は、官公庁と文教がそれぞれ35%、法人営業は20%、Web事業は10%。名護宏雄社長は「10年前は民需が全体の4割を占め、当社の主力だった」と振り返る。現在、売上げの大半を占める官公庁や文教は、ほとんどが入札案件でリスクが高いため、民需の比率拡大を目指す。
県内企業向けにパソコンをはじめOA機器やパッケージソフト、サプライ用品などを提供するWeb事業は、同30%増の伸び率で好調。ネット通販や量販店などに流れていた顧客が戻りつつあるという。
顧客との接点強化目的に10年4月から配信を開始したメールマガジンの配布先は、1千件を超えた。3年目を迎え、2千件まで増やしたい考えだ。
今年好調なのは民需。11年度2億5千万円だった法人営業は、3億5千万円まで引き上げる。
介護・福祉、建設・建築、税理士事務所の3業種に特化し、パッケージソフトを県内市場に提供。他県のビジネスパートナーと協業することで、ノウハウのサポートなどがこれまで以上にスムーズになっているという。毎週開いているミーティングで名護社長が進捗(しんちょく)状況を管理しており、民需のてこ入れを強化している。
スマートフォンを活用した自社開発の日報管理システムは、建築業界で実績が出始めた。沖縄は建築企業が多く、IT関連の設備投資は一巡しているが、「他社が全く手を出していない新しいものを提供することで掘り起こしにつながっている」(名護社長)という。
例年9月に開催しているITフェアは、発売予定のウィンドウズ8に合わせて10月30-31日に開催する。クラウド、タブレット、セキュリティをキーワードに、過去最高の1千人超の来場を目指す。
12年度売上高は12億円が目標。4月以降は競争の激化、前年度からの繰り越し案件の減少、今年度予算執行の遅れから厳しい状況が続く。しかし、予算執行が遅れている一括交付金関連の案件が出始めると予想し、第2四半期以降は回復する見通し。
ウィンドウズ8の登場は「IT業界が再び活性化する大きなチャンス」と名護社長は高い期待を寄せる。