(株)コンピュータ沖縄 名護宏雄 学生時代の4年間は東北の秋田の男子寮で過ごした。歓迎会では先輩からの献杯を断れず、飲みすぎで3か酔いを経験した。その時点で酒を止めておけば数々の失敗もせず、家一軒は買える金も溜まっていたはずが、懲りずに35年余りをお供してしまった。 最近は本土からのお客さんも、沖縄ブームで通が多くなり喜んでもらえる場所を探すのに苦労する。評判のお店も地 元の我々よりも観光情報の方が早く、仕事で来る方でもかなり詳しい。場所探しが面倒なので自宅での接待を心がけている。コンクリート造りのごく普通の家屋 でも部屋の配置や仏壇が新鮮で異国情緒を感じてもらえる。ゴーヤーなど沖縄料理も評判だが泡盛も好評だ。「家宝の酒です」とおもむろに甕から酒器に分け て、沖縄の伝統や仕次ぎの話をしながら振舞う古酒の体験は厳かな雰囲気があると受けている。限られた予算とささやかな心遣いで出来る大きなおもてなし、わ が琉球の先祖に感謝したい。 おいしい泡盛の製造工程を生み出し、さらにクース造りと「仕次」の技法はビジネス特許にも値する。島国で貧しい沖縄が産んだ世界に誇れる泡盛は人間関係も深化させる。 掲載:泡盛研究 第1号(創刊号)2006年12月 泡盛学会 |