◆ 卒業にあたって
発刊日2001年10月発刊 第6期同友会大学「卒業論文集」 第6期同友会大学 学長 名護宏雄 21世紀の扉が開かれました。九州・沖縄サミット以来、叫ばれるIT革命は、18世紀の英国に始まった産業革命に匹敵する歴史的大転換を社会にもたらすといいます。国では5年以内に世界最先端のIT国家を目指して「e-japan戦略」なるものを決定しました。厳しい経済状況の中、雇用調整、年金改正等で将来に対する不安が強く、なかなか個人消費が回復しない状況が続いています。回復が遅れるなかで生き残りをかける中小企業は、顧客の要望に高い水準で答えられる企業の確立のためにも、宝である人材、人的資源の確保、人材育成の継続が求められています。 同友会の人材育成は、経営者・幹部は同友会大学で、一般社員は社員教育委員会、新入社員は共同求人委員会と、採用から育成まで一貫した体系になっています。皆さんは経営幹部か、これから幹部になり会社を担っていく方々です。今回のカリキュラムも企業のトップが備えるべき政治・経済・文化まで、大きく、深く練った一般教養の部分と、過去の沖縄の歴史、現在から将来展望に至るまで企業経営、経営戦略に必要とされる知識、物の見方にも触れた幅広い内容になっています。講師陣も沖縄の各界各分野で実践、活躍されている一流の皆様が揃いました。 同友会理念を企業経営と同友会運動に創造的に生かし、地域の隅々に広げていくには、学んだ事をどう実践し成果を上げるかが問われます。同友会大学の皆さんも6期目に入られて100名を超える卒業生を送り出し、それぞれの企業で経営幹部として活躍しています。沖縄県中小企業同友会の諸活動においても、卒業生の皆さんが大きな役割を担うようになってきました。 困難な時こそ、同友会運動がその真価を発揮し、歴史的使命を果たす時です。同友会大学で学んだ事、論文に書いた内容をしっかり身に付け実践してこそ、大きく成長出来ます。またこの期間で得た仲間、長期間仕事をしながらの学習体験が、生き方や仕事で行き詰った時、壁を打ち破る大きなきっかけ、力になる事を期待して卒業にあたっての挨拶とします。 |