◆ 卒業にあたって
発刊日 2002年3月 第7期同友会大学「卒業論文集」 第7期同友会大学 学長 名護宏雄 昨年9月11日の米国同時多発テロの発生と、全世界を巻き込んだ報復攻撃の影響で修学旅行を中心に団体旅行のキャンセルが相次ぎ、観光関連産業をはじめ県経済全体に大きな打撃を受けました。幸い、沖縄同友会はじめ産業界や関連産業の様々な要望や対策に、行政も素早く対応し県民一体の取り組みがなされ、1月から前年を上回る回復の報道もあります。しかし、客単価の安いキャンペーン価格等の影響で相変わらず、採算割れの厳しい状況に変わりはありません。厳しい経済状況の中、ペイオフ制度のスタート、国際会計標準の導入等で将来に対する不安が強く、なかなか景気回復の見透視がたたない状況が続いています。同友会の21世紀型企業とは、①国民や地域の要望に高い水準で応えられる使命感に燃える企業、②労使がともに育ち合い、活力に満ちた豊かな人間集団としての企業のことです。この同友会型企業づくりに、一層の熱意と創意を結集して取り組み、時代転換にふさわしい質の高い学びあいの場づくりが大事になります。 同友会の人材育成は「科学性・社会性・人間性」に裏打ちされた人間尊重の考え方にたち、幹部・経営者は同友会大学で、一般社員は社員教育委員会、新入社員は共同求人委員会と、採用から育成まで一貫した体系が確立されています。次年度からは中堅幹部教育の強化を目指して「社員共育塾」もスタートします。今回のカリキュラムも企業経営のトップが備えるべき、過去の沖縄の歴史から政治・経済・文化まで深く練った幅広い内容になっています。講師陣も沖縄の各界各分野で実践、活躍されている一流の皆様が揃いました。卒業生も皆さんの7期目も入れて120名を超え、それぞれの企業で経営幹部として活躍しています。また沖縄同友会の諸活動においても、卒業生の皆さんが大きな役割を担うように成ってきました。 私たちは、困難な課題が山積みして時こそ、同友会の「自主・民主・連帯の精神」のもと、学んだ成果がその真価を発揮し、課題を克服することで私たち自身が鍛えられ、磨き上げられることを経験してきました。大学で学んだこと、論文に書いた内容をしっかり見に着け実践し検証してこそ、大きく成長出来ます。仕事をしながらの学習体験や仲間達が、これからの生き方や仕事の中で大きな財産に成ることを期待して卒業にあたっての挨拶とします。 |