沖縄タイムス2004年7月25日「オフィスの窓から」欄掲載
ビジネスソフトが普及するまで事務処理は、しばらく手作業がほとんどだった。なじみのユーザーから「コンピュータ沖縄でさえ使っていないのに、われわれはまだ早いよ!」と言われ悔しい思いをした。沖縄は市場が狭いだけに口コミで広がるのも早く、 PCブームで企業へのパソコン導入やソフト普及も急だった。やがてネットワークが広がりを見せ、各社でその利用も盛んになった。
ばらばらで活用していた社内システムを1996年に1人1台にし、グループウェアソフト「ロータスノーツ」を導入した。業務の効率化やペーパーレス化による経費節減、業務改善の必要性もあったが、顧客に提案するためにはまず社内で使って、そのリスクやメリットなど活用上のノウハウを蓄積する狙いもあった。
紆余曲折あったがメールやスケジュールを基本に勤怠管理・売り掛け管理・ファクスデータなどのペーパーレス化で、経済的にも経営面でも期待以上の成果であった。ソフトのバージョンアップや適用業務の拡大もそのつどやって、運用面のノウハウも蓄積できたが、7年余を経てシステム更新の時期に直面している。
去年の夏に社員用の携帯をiモード対応機に交換した。今回で4度目のステップアップになる。 「本年度中に、すべての業務をケイタイで! 」の目標を掲げて次期システム構築を始めた。パソコンからケイタイへの時代転換がすぐそこまできた感がする。最近は1人1台のネットワークシステムを有効活用している企業も増えた。
情報投資に積極的な経営者も多いが、大掛かりな投資と設備を誇って、自社システムの更新が念頭にない方も時々見かける。ICタグ・デジタルTVなどインフラは時々刻々変化している。自社のコンピューターシステムと自分自身のアップデートに油断は禁物である。
「沖縄の40代が変われば沖縄も変わる」のTVコマーシャルをしばらく流した。会社スタート時に狭い事務所で遅くまで白熱の議論をしたマニアの方々が、それぞれの組織で活躍する年代になった。団塊の世代が社会のリーダーとして、IT活用のリード役も期待し、連帯のエールを送りたい。